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2024.04.28

「可とう導体」に技と⼼を尽くす!プレス班を率いる“匠”の仕事

金属加工の種類⑦ 「可とう導体」に技と⼼を尽くす!プレス班を率いる“匠”の仕事
「KYOWAの⾦属加⼯ジャーナル」へ、ようこそ!

私たちは、銅加⼯・⾦属加⼯で約100年の歴史をもつ共和電機⼯業です。

「KYOWAの⾦属加⼯ジャーナル」と題したこのコーナーでは、銅をはじめ⼯業製品に⽤いられる各種の⾦属材料や⾦属加⼯⽅法の知識・ノウハウなどをお伝えしていきます。

今回は、弊社機械課のプレス班の仕事をご紹介します。プレス班リーダーにインタビューし、プレス班の主⼒製品である「可とう導体」の製作の歴史や⼯程の効率化について、またお客様に喜んでいただけた提案例など、盛り沢⼭な内容をお届けします。

「可とう導体」とは?

プレス班ではどんなスタッフがどんな想いを持ってどんな仕事をしているのかも、感じていただけると思います。
⾦属加⼯の仕事にご興味のある求職者の⽅のお役にも⽴てれば幸いです。

共和電機⼯業株式会社営業課 藤井

こんにちは!共和電機工業株式会社営業課の藤井と申します。この記事のアテンド役を務めさせていただきます。
今回は機械課プレス班で活躍するベテラン社員の竹藤さんに「可とう導体」の製造についてお話を聞いていきます。

機械課・プレス班 リーダー 竹藤 敬章(57)

親が営んでいたプレス工場で19歳時から金属加工に従事。
その工場は景気の煽りを受けて廃業したが、その際、もともと加工パートナーとして付き合いのあった共和電機工業から誘いを受けて入社。

機械課プレス班にて「可とう導体」の製作経験を積み、今年で12年目を迎える。
現在、プレス班のリーダーとして可とう導体に関するさまざまな相談に応じ、カスタマーの課題解決に尽力しながら、後任者の育成にも励んでいる(写真左は部下の⻄川みか)。
※年齢、在籍年数は記事リリース当時

機械課・プレス班 リーダー 竹藤 敬章

ここ10年で「可とう導体」のご注文が急増

常時、約20種類のオーダーメイド製品を製作

共和電機⼯業株式会社営業課 藤井

プレス班は可とう導体の製作がメインですが、竹藤さんが入社した当時は主力製品というほどではなかったんですよね。

共和電機⼯業株式会社 機械課・プレス班 リーダー 竹藤

そうですね、可とう導体のニーズは元々ありましたが、ここ10年くらいの間にご注文が急増しました。
新規のお客様からのお問合せも増えましたし、共和電機の認知度が上がったことを実感しています。

今、プレス班では月間1万個近くのプレス加工品を造っていますが、その多くが可とう導体です。種類で言うと約20種類の可とう導体を継続的に製造しています。それに加えて試作のご依頼も多いですね。

共和電機⼯業株式会社営業課 藤井

共和電機では可とう導体の規格品も販売していますが、竹藤さんたちが日々造っているのはすべてオーダーメイド品ですからサイズも形状もさまざまです。細かい仕様も違いますし、大変ではないですか?

 
弊社規格品弊社規格品
オーダーメイド品の一例(特殊形状品)オーダーメイド品の一例(特殊形状品)
共和電機⼯業株式会社 機械課・プレス班 リーダー 竹藤

どの製品も最初は私が見本を造り、スタッフ間で製作手順を共有して造っていくので、一度覚えればスムーズです。部下の⻄川さんは可とう導体を造り始めてまだ3年目ですが、常時受注している製品であれば一人で造ることができます。
ただ、私が入社した当時は今よりも“職人仕事”の部分が多かったので大変でしたね。

共和電機⼯業株式会社営業課 藤井

以前はすべての工程を手作業でやっていたとか?

共和電機⼯業株式会社 機械課・プレス班 リーダー 竹藤

そうなんです。可とう導体の製造工程は約10工程と多いですが、私の前任者はすべての工程を一人でこなしていました。平編銅線を2枚重ねて曲げるという難しい加工も一つずつ手作業で根気よくやっていましたね。加工者の経験と勘が頼りという、まさに職人仕事でした。

大先輩も苦労していた「曲げ加工」

平編銅線は銅線を編んで平な形状にしたもので、柔軟性があり厚みもあります。それを複数枚重ねてスムーズに動くように曲げるのはかなり難しい。材料の切り方から計算する必要があります。
1枚だけを曲げるにしても、曲げた時に銅線がどう動くかもわかっていなければ思い通りの形になりません。前任者も試行錯誤しながら手作業でなんとか形を造っていた感じでした。

私も秘伝の技を伝授してもらってできるようになりましたが、手作業では時間がかかる上に、形状も安定しません。もっと効率よくできないものかと、いつも考えていました。

大先輩も苦労していた「曲げ加工」

金型開発で職人技を平準化。工程もスリムに

共和電機⼯業株式会社営業課 藤井

手作業ではどうにも効率が悪い。そこで竹藤さんが考えたのが金型を使うことだったんですね。

共和電機⼯業株式会社 機械課・プレス班 リーダー 竹藤

そうです。曲げ加工用の金型を作り、そこからいろんな金型を利用するように変わっていきました。

お客様のコスト負担に考慮して、汎用的に使える金型を開発

金型は私が設計して、機械課の切削マシンで造ってもらったり、金型専門の会社に依頼して造ってもらったりしています。

曲げ加工だけでなく、両側の端子部分の穴あけやC面取り加工も専用の金型を使うようになり、効率よく安定した品質の製品を造れるようになりました。

金型というものは本来、製品ごとに造るものですが、金型製作のコストがネックとなります。お客様に負担していただくわけにはいかない案件も多くある為、ある程度汎用的に使えるように工夫して改良を重ねてきました。

また、大量生産の場合は協力会社様と協業することで数をこなせるようになりました。

お客様のコスト負担に考慮して、汎用的に使える金型を開発
お客様のコスト負担に考慮して、汎用的に使える金型を開発 作業風景
お客様のコスト負担に考慮して、汎用的に使える金型を開発 作業風景

お客様のお困りごとを共有して一緒に解決

共和電機⼯業株式会社営業課 藤井

お客様からご相談を受けることも増えていますね。先日も試作段階で、お困りごとの相談を受けしましたが、竹藤さんのアドバイスで見事に解決しました。

共和電機⼯業株式会社 機械課・プレス班 リーダー 竹藤

お客様の新製品に使用する可とう導体の件でしたね。お客様の図面通りに試作したものの、試作品を取り付けて稼働させると銅線が擦れて切れてしまうというお話でした。

お客様の工場を訪問して見せていただくと、取り付け方に無理があったので「捻って取り付けてはいかがですか?」とアイデアを出させていただき、解決しました。

図面通りに造って終わり、ではありません

私たちは基本的に、お客様企業の設計者の方が書いた図面に従って製品を製作しますが、図面通りに造っても、取り付けてみれば想定通りに動かなかったり、振動に耐えられなかったり、というケースが発生します。可とう導体はあくまで「部品」の一つであって、設計者の方は可とう導体の専門家ではないですから、想定外が起こるのは仕方がないでしょうね。

試作の場合は、まず図面通りに製作し、問題点を把握した上で原因を特定します。

設計見直し又は、取り付け調整を行う事で解決できます。お客様に喜んでいただけますし、やりがいのある仕事だと思います。

共和電機⼯業株式会社営業課 藤井

コストカットの課題に挑んでクリアしたこともありました。端子部分のC面取りの工程を省いても機能的に問題ないことがわかって、8種類の製品でC面取りを廃止しましたね。

共和電機⼯業株式会社 機械課・プレス班 リーダー 竹藤

C面取りは、お客様の製品に可とう導体を組み込んだ時の干渉防止のために行いますので、干渉しないことがわかれば省いても問題ないわけです。

C面取りが必要かどうか設計段階でわからないのか?といえば、そもそも「C面取りは当たり前」という常識のもとで図面に指示されているケースが多い。それなら一度検証してみましょう、ということでお客様と一緒に実地検証した結果、C面取りを省いても問題のない製品が8種類あったということですね。

従来行っていた C 面取り加工(右)を廃止した例従来行っていた C 面取り加工(右)を廃止した例

お互いにメリットのあるWin-Winの改善提案

コスト削減には、加工方法の変更も有効です。具体例としては、可とう導体に金属部品を取り付ける工程で、部品の接合方法の変更をご提案したことがありました。

従来はロウ付けで部品を接合していましたが、リベット加工で良いのではないかと。リベット加工はリベットという接合金具をプレス機で押し潰して接合する方法です。ロウ付けや溶接よりもコストが安くなり、現場としても造りやすくなるので、Win-Winですよね。

「従来通りで良いのか?」という視点でみれば改善の余地が見えてくるものです。お客様が気付かれていないことも多いので、お客様とコミュニケーションを取ることと、私たちからも自発的に発信していくことが大切だと思います。
固定概念に捉われず、使用者(作業員)目線で物事を考える事が、製作者の重大な役割です。

「やってみます!」精神で大型製品の納入実績も

共和電機⼯業株式会社営業課 藤井

竹藤さんは、営業も含めてお客様と3人で問題解決していくというスタンスですよね。
お客様から「できますか?」と訊かれたら「やってみます」と引き受けてくれるので営業としても大変助かっています。先日もZ型の試作品を製作してくれましたが、造ったことのないものでも「できない」とは思わないんですか?

共和電機⼯業株式会社 機械課・プレス班 リーダー 竹藤

形状の課題であれば、平編銅線の性質がわかっていれば大体は可能ですから。
耐久性の課題については、実際の取り付け状態を見せていただくのが一番ですが、破損した製品を見るだけでもある程度は改善のご提案ができます。端子と銅線の間に隙間を作るとかですね。

ただ、できる・できないは、加工者の技術や経験だけではないので「やってみるけど、できなかったらごめんなさい」と思いながらチャレンジすることもあります。

「材料調達力」も共和電機の強み。今後の課題は「設備投資」

お客様のご要望にお応えできるかどうかの判断には、材料や機械設備も大きく関わってきます。どちらも製品を造るために「先立つもの」です。

他社さんで断られたというお客様からよく聞くのが「材料調達困難」を理由に断られたというお話です。その点、共和電機は材料調達力があります。メッキなし素線、スズメッキあり、どちらも用意できるのは昔から可とう導体を造ってきたからこそです。おかげで要求される電流値や使用環境に応じた材料を提案することができます。

一方で、今課題となっているのが機械設備です。可とう導体のサイズに関しては、プレス機の能力によって対応できる限界が決まってきますので。長さは関係ないですが、端子部分の厚みにはプレス圧力が大いに関係します。
電力関係の大型製品となると1000A以上の大きな電流値が要求されます

大型の平編銅線(sq)の場合、かなり強力なプレス圧が必要になるわけです。

最近は大型製品の需要が増えてきているので、需要に応じて設備投資も検討する必要がありますね。

油圧プレス油圧プレス
パワープレスパワープレス
共和電機⼯業株式会社営業課 藤井

確かに大型製品のご依頼が増えています。最近ご注文いただいて納品した大型製品は放熱用でしたね。

共和電機⼯業株式会社 機械課・プレス班 リーダー 竹藤

250sqなので大型の部類ですが、平編銅線が1枚で端子厚も75mmと、今ある機械設備で対応できる範囲です。放熱用は電流値が要求されない場合もあって、大型でも比較的対応しやすいです。

公称断⾯積250sq、許容電流600A(参考値:素線製作会社に基づく)端⼦幅75mm公称断⾯積250sq、許容電流600A(参考値:素線製作会社に基づく)端⼦幅75mm

次の世代への継承も着々と

共和電機⼯業株式会社営業課 藤井

需要を見極めつつ、会社として設備投資を前向きに検討する段階にきていますね。と同時に、竹藤さんの後継者を育てるために人材採用にも力を入れていきたいところです。

共和電機⼯業株式会社 機械課・プレス班 リーダー 竹藤

そうですね。西川さんがだいぶんできるようになっているとはいえ、そのうち西川さんの後輩も入ってくるでしょうし、マニュアルとして使える資料を色々残していこうとしています。

機械課全体としては、本人の向き不向きを見極めて向いている方へ伸ばしてあげるのも大切だと思います。金属加工と一口に言ってもいろんな機械があり加工方法があり、人によって向き不向きがありますのでね。

共和電機⼯業株式会社営業課 藤井

そういえば西川さんは最初、旋盤班で汎用旋盤を習っていましたね。旋盤よりプレスの方が向いているかも、ということでプレス班へ移ってどうですか?

共和電機⼯業株式会社 機械課・プレス班 西川

移ったらまた一から覚えないといけないので大変だろうな、と思っていましたが、プレス加工はすぐに馴染めました。

汎用旋盤もプレス機も手動で機械を動かすのは同じですが、汎用旋盤は完全に職人の世界なんですよね。バイトを研ぐだけでも何年も修業しないといけないような。旋盤が好きな人ももちろんいると思うんですが、私は丁寧に教えてもらってもなかなか上達しなくて、それが辛かったんです。

プレスも昔は職人の世界だったみたいですが、私が入った時には金型が導入されていて。教えて貰えばちゃんと造れたので、やればできるんだと自信がつきました。
竹藤さんもすごく親身に教えてくれますし、わからないことがあれば遠慮なく聞けるので心強いです。

今後は竹藤さんのように、お客様からのご相談やイレギュラーなご要望にもお応えできるようになりたいです。

共和電機⼯業株式会社営業課 藤井

いいですね!頼りにしています。お客様のためにも、得意な加工を極めていってほしいと思います。

竹藤さん、西川さん、ありがとうございました。
これからも力を合わせて可とう導体を盛り上げて行きましょう!

共和電機⼯業株式会社 機械課・プレス班 西川、機械課・プレス班 リーダー 竹藤、営業課 藤井

可とう導体のみならず「銅」加⼯なら共和電機⼯業へ

銅は金属材料の中でも柔らかく加工しやすいですが、柔らかいだけに傷つきやすく、少しの衝撃で凹んでしまうため扱いには注意が必要です。

可とう導体を製造している機械課プレス班では、ごく一般的な打ち抜き加工も行なっていますが、銅の扱いに関しては他社とは一線を画す丁寧さを誇ります。

(写真は、分厚い銅板・その他金属板も一瞬で打ち抜くパワープレス60トン)

銅板を金型で抜く際に型抜きした部品同士がぶつからないよう細心の注意を払い、傷や凹みによる寸法誤差をできる限りなくし、製品としての完成度を高めるための努力を怠りません。

可とう導体のみならず「銅」加⼯なら共和電機⼯業へ

可とう導体やプレス製品のみならず、私たち共和電機工業株式会社は約100年にわたりデリケートな銅という素材と向き合ってきた歴史があり、銅製品を美しく仕上げるノウハウがあります。

銅のポテンシャルを活かした製品をお求めでしたら、ぜひ共和電機工業株式会社へご用命ください。

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